「眠るのは死ぬのと同じだ」

田中角栄元首相の名言集から。

「眠っている間、人は横たわったまま何もできない。ならば眠りは死と同じだ」

色んな批判はあるものの、国民のために死力を尽くしたと言われる元首相。その生きざまを表すような苛烈な発言です。

「睡眠」の重要性を主張し、「眠り」をサロンの名前にも取り入れている私ですが、実はこういった考え方は嫌いではないです…

 

 

人生で何度か、心身を犠牲にしてでもやらなければならないときが確かにあると思います。いつも心身を労わり、守っていれば健康上のリスクは少なくなり、トラブルなく人生を過ごせるかもしれません。しかし、避けられない問題に巻き込まれたとき、また、急激に成長しなければならない局面では休息をぎりぎりにしてでも挑まなければならない時期があると思うんです。

「これが終わったら、目覚ましかけず、それこそ死んだように寝てやる!!」

と思いながら頑張った若いころの記憶、というのは決して嫌なものではありません。

とはいえ、そんな時期でも最低限の休息は絶対に必要ですし、「眠り」=「死」か、と言われたらやっぱりそれは違うのです。

 

 

「眠り」の間、人は完全に休眠しているわけではありません。眠っている間、意識には上らなくても私たちの体の中では重要な作業が行われています。

脳の中では、

「必要・不必要な情報の選別と整理」

というPCでいうところのディスククリーンアップが行われています。クリーンアップを行った直後のPCは軽快に稼働します。これは余計な情報が処理されているので、PC内の作業が不必要なデータに邪魔されることなく、スムーズに行われるためです。

朝、起きた直後、私たちが頭の中がすっきりと感じるのはこれと同じ状態なのです。

さらに、

「情動=感情の安定をはかる」

「記憶力を高める」

など、社会人が生活を送る上で非常に重要な要素も睡眠によってメンテナンスが行われています。

そして、眠っている間には「美容と健康」にも重要な作業が行われています。

眠り始めの深い睡眠中(徐波睡眠)には成長ホルモンと呼ばれる重要な物質が脳(下垂体前葉)から分泌されますが、成長ホルモンは肌や筋肉など、たんぱく質の生まれ変わりを促進します。つまり、

「美しい体は夜に作られる」

ということなのです。

睡眠と成長ホルモンの働きについて学んだとき、寝不足だらけの毎日が続くと、確実に肌が荒れるんですが、このせいだったのかな…と思ったものです…

 

能動的に思考し、手足を活発に動かしているばかりが生産性の高い行為なのではなく、「生きている」意義が大きいわけではありません。

眠っている間、意識に上らないだけで睡眠時にしか出来ない能動的な生理作用が行われている、ということです。

『脳というのは、皆さんが思っているよりもずっと働きもので、休息のために眠るのではなく、昼間とは違った働きをするために睡眠という活動へシフトチェンジしているのです。つまり、睡眠とは脳にとってアクティブな時間であるということを認識してください。』(『脳が最高に冴える快眠法』/茂木健一郎著(河出文庫)

今だ!というタイミングで心身を削って働くのも人生。でも休息、睡眠の大切な働きを理解しておくことで、自分の限界をさらに押し上げることも出来るかもしれません。

睡眠は癒しであり、戦うための必須条件でもあるのです。

『眠りのサロン立夏』セラピスト西岡とし子

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